共有となった不動産の使用料

共有状態の法律関係

こんにちは。

今日は、相続が発生した際に共有状態になったとして、どのような法律関係になっているのかを書きたいと思います。

一般的な家族であるこの家系図をもとに考えます。

条件

遺産は次の通り

  • 夫名義の持ち家
  • 金融資産1000万円

被相続人が相続人と同居していた

妻(家系図上母)が、夫である(家系図上父)が死亡時に同居していて、子どもがそれぞれ独立していた場合で考えます。

夫は、特に遺言書などは書いてなかったので、遺産は法定相続分とおりとなり、妻2分の1、子供たちそれぞれ4分の1となります。

夫名義の不動産も当然、法定相続人がそれぞれ持分を持つことになります。

そこに目をつけた子供Aが、自分の母にこう言いました。

「俺も、持分が4分の1あるんだから、家賃払ってくれよ。」

とても、ひどい子供ですね(笑)。

果たしてこの主張は、認められるのでしょうか?

家賃はとれるか?

結論を先にいうと、子供Aは、家賃をとることはできません

共有財産になるので、各相続人は持分に応じて、不動産を使用できる権原があります。

当然、子供Aにもその権原はあるのですが、かといって家賃を請求することも、妻にも使用権原がありますから追い出すこともできません

家賃について言えば、夫と妻が同居していたということは、普通、お互いに家賃のやりとりはないはずなので、その関係が相続発生後も続くことになります。

このような使用貸借契約が、続くことになるので、相続人同士の遺産分割が決着するまでは、妻はこのままの状態を維持することが可能です。

同居している人がいなかった

では、同居している人がいなかった場合で、勝手に子供Aが住み着いた場合は、妻と子供Bは追い出すことができるか?というのを考えてみます。

これについては、先ほどの説明通り、各相続人に持分がありますので、それにともない不動産の使用権原も発生するため、むやみに追い出すこともできません

そのため、追い出したいということになれば、過去の裁判で次のような要件が提示されています。

「持分が過半数を超える人と明け渡しをしてほしい理由を提示して請求する」

このような条件がそろえば、認められるかは、その時の状況によりますが、明け渡しの請求をすることができます。

最後に

このように、共有状態になると、各自が持分を持つため、少なくとも持分に応じた使用権原がありますから、追い出したり、使用制限をすることができなくなります。

特に、同居していた奥さんにとっては、法が力強い味方となりますので、安心して住み続けることができますね。