賃貸借契約と抵当権の関係

賃貸借契約と抵当権の注意事項

こんにちは。

今日は、部屋を借りる時の契約書ですが、何気なく書いてある重要事項説明の中で、抵当権と賃貸借契約について書きたいと思います。

抵当権

賃貸借契約をする時に、不動産会社が仲介しているなら、重要事項説明書を受けると思います。

その時、ほとんどの物件で抵当権が設定されています、との説明があります。

この抵当権というのは、債務者が借入金を払えなくなった時に、債権者が物件を競売にかけることができる非常に強力な力を持ってます。

私自身、オーナーが破産して、抵当権が実行されて競売になったケースは過去、一例しか経験がありませんが、この競売になった時が、賃借人に不利益となってしまいます。

その不利益の内容とは

A=賃貸人(競売された人)

B=賃借人

C=新所有者(競落人)

退去

まず、賃貸人であるAと契約者であるBが賃貸借契約をしました。

その後Bが住んでいる物件が競売にかけられて、Cが落札しました。

この場合、CがBとの賃貸借契約の継続を望まない場合には、Cはこの物件に住み続けることができなくなってしまいます

ただし、競売実行からCに所有権が移転した時から、6ヶ月間は明け渡しの猶予期間があるため、すぐに出ていく必要はありません。

民法395条

抵当権者に対抗することができない賃貸借により抵当権の目的である建物の使用又は収益をする者であって次に掲げるものは、その建物の競売における買受人の買受けの時から六か月を経過するまでは、その建物を買受人に引き渡すことを要しない。

  1. 競売手続の開始前から使用又は収益をする者
  2. 強制管理又は担保不動産収益執行の管理人が競売手続きの開始後にした賃貸借により使用又は収益をする者
敷金

実は、敷金にも影響してきます。

Cが契約の継続を望まないときは、敷金がAから承継されませんので、Cから敷金を戻してもらうことができないのです。

となると、Aに返還請求するのですが、競売にかかってしまうくらいなので、資産があると期待することが難しいですよね。

そうなると、敷金も、もどらなくなってしまいます。

抵当権に対抗できる場合

これまでの、説明の通り、抵当権付物件の場合は、万が一の時非常に賃借人に不利益となってしまいますが、対抗できる場合はあるのでしょうか?

対抗できる方法は、限られていますが、次のような場合があります。

  1. 抵当権の登記前に賃貸借契約を登記している場合
  2. 抵当権付物件の抵当権者(競売を実行する人)全員の同意を得て賃貸借契約を登記する場合

このようなケースだと、競売になっても物件に住み続けることができます。

最後に

先ほども触れましたが、競売になって所有者が変更となるケースは、非常にまれなケースです。

そのため、それほど神経質に気にすることでもないのですが、一応、知識として知っておいて損はないと思いますのでご紹介しました。